京都在住の官能作家。
京都女子大学文学部中退。
2010年、第一回団鬼六賞大賞を「花祀り」(無双舎より発売中)にて受賞。
京都観光文化検定2級を所持する現役バスガイドでもある。
AV・日本史・仏像が好きです。
公式ブログ
京都在住の官能作家。
京都女子大学文学部中退。
2010年、第一回団鬼六賞大賞を「花祀り」(無双舎より発売中)にて受賞。
京都観光文化検定2級を所持する現役バスガイドでもある。
AV・日本史・仏像が好きです。
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▶2012-04-24『関西エロ名鑑』
第14回「人と場所を遊びつなぐ~メディアピクニック岩淵拓郎~」
▶2012-03-22『官能作家・花房観音の『関西エロ名鑑』』
第13回 怖くて悲しくて美しいものたちへ~怪談作家・三輪チサ~
▶2012-02-21『官能作家・花房観音の「関西エロ名鑑」』
第12回 官能小説朗読会エロティカ・ナイト後編~俳優・ヤマゲン~
▶2012-01-26『官能作家・花房観音の「関西エロ名鑑」』
第11回「官能小説朗読会エロティカ・ナイト前編~女優・やまおきあや~」
▶2011-12-22『官能作家・花房観音の「関西エロ名鑑」』
第10回「青春という名の狂気~映画監督・柴田剛~」
▶2011-12-05『官能作家・花房観音の『関西エロ名鑑』』
第9回「~腐女子力で人と街を笑顔に~コスプレイベントプロデューサー・児玉教子」
▶2011-10-27『官能作家・花房観音の『関西エロ名鑑』』
第8回 心に花を、世界に美しい歌を~歌手・ラファエル木村~
▶2011-09-29『官能作家・花房観音の『関西エロ名鑑』』
第7回 セックスと健康と風俗というお仕事~風俗嬢ライター田中課長~
▶2011-09-01『官能作家・花房観音の『関西エロ名鑑』』
第6回 エロと笑いの花が咲く~セクシー芸人ツジカオルコ~
▶2011-08-04『官能作家・花房観音の『関西エロ名鑑』』
第5回 エロス&アートの浄土に坐する「お坊さん」~京都極楽堂書店店主・月澤信貴~
▶2011-06-30『官能作家・花房観音の『関西エロ名鑑』』
第4回 闇のエロティシズムを追う男――映画監督&作家・山田誠二
▶2011-06-02『官能作家・花房観音の『関西エロ名鑑』』
第3回 ラブホテル進化論著者・歌う大学講師 ~金益見~
▶2011-04-26『官能作家・花房観音の『関西エロ名鑑』』
第2回 日本初のバイブドキュメンタリー~映像作家・ササタニーチェ~
何かを言いたげな能面が掲げられた扉を開けると、そこには異界があった――京都の東・山科に佇む彼の家の玄関の扉に張り付いているかの如くの女の顔に迎えられ、私は異界に足を踏み入れた。
玄関には、月岡芳年の残酷絵の描かれた屏風がある。血が滴り吊るされる女の絵が描かれた屏風が。鮮やかな血の色――その匂いが漂っているかのような錯覚すら覚える。
奥へと進むと膨大な量の本にビデオにDVD、大きなスクリーン、フィギュアに不気味な人形……出されたお茶が入れられたマグカップは「四谷怪談」のお岩の顔がこちらを睨んでいた。時折、撮影にも使われるこの家の住人とは数年前からの知人である。何度も顔を合わせているし団鬼六賞の授賞式には東京まで駆けつけてくれた。
その人の名は、山田誠二――彼を、どう紹介すればいいのかいつも迷う。それほど彼の仕事は多岐に渡り、またその仕事の一つ一つが濃く深い。映画監督でもあり、脚本家でもあり、必殺シリーズ、怪談映画、幻と言われた大蔵映画の発掘、金田一映画などを中心としたテレビ・映画の研究家として著作も多く、現在でも様々な媒体に映画評等を執筆している。近年は大規模なコスプレイベントである神戸コスプレコレクション・六甲コスプレアイランドの映像、舞台演出にも関わっている。神戸コスプレコレクションでは昨年は審査員として声優・神谷明を迎え成功に導いた。また「乱ツインズ」連載中の池波正太郎原作の「仕掛人 藤枝梅安」の原案も担当している(作画は、さいとうたかを)。近著に「妖奇怪談全集」(ビジネス社)があり、様々な怪談噺と共に、6人の女を主人公とした映像集のDVDが付録につけられている。映像の編集・音響・語りは山田誠二の盟友・直木賞作家・京極夏彦によるものだ。本作は、書籍の付録として制作されたにも関わらず、2010年度の、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭に招待され上映された。
「妖奇怪談全集」には私の友人が出演していた。「この部屋のトイレには幽霊が出る」そう告げられた女が、こみ上げる尿意を我慢し、ついには堪えきれずトイレの扉を開ける。下着をおろし、用を足しながら彼女が見たものは――憂いを帯びた瞳を持つ彼女が脅え、恐怖に遭遇するエロティックな映像に私は欲情した。
2010年、2月、「必殺仕事人」シリーズの主役・中村主水役の藤田まことが亡くなった。その際に、おそらく初めてきちんとした形で仕事人シリーズを何作か見直してみた。自分が「大人」になってから見た中村主水の色気に目を見張った。二面性を持ち、闇の存在である仕事人達の発する死を背負った艶に引き込まれた。闇のエロス――それは怪談映画にも通じるものだ。
必殺シリーズは、勧善懲悪の他の時代劇と一線を画している。金で殺しを請け負う者達の復讐の物語だ。お天道様のもとで裁かれない者達を葬る――恨み、憎しみが根底に流れる物語――闇の世界に惹かれ続け自らも描く、山田誠二という人に迫ってみた。
まず、彼の著作から生い立ちを引用しよう。「幻の怪談映画を追って」(洋泉社)によると、昭和38年、静岡県熱海市に生まれ後に大阪の岸和田市で育った山田誠二は幼少期に両親の離婚を経験する。離婚後、子供を引き取った父親は弱気になり死ぬことを考え始めた。父は息子を連れて連夜、橋の上や団地の屋上へと行き、「一緒に死んでくれ」と泣いて頼んだ。幼い子供は父に自殺を思いとどめてくれと必死に懇願したが、父は一緒に死のうとしない息子を「薄情者」とののしり、さらに激しく泣いた。幼児にとっては親は絶対的な存在で離れて生きていく知恵も無く、一緒に居るしかなかった。しかし一緒に暮らしている限り、寝ている間に殺されるかもしれないという恐怖を抱き続け、そんな日々の中、父が一人で自殺を図った。幸いにも未遂で終わったが、回復後、父が働く為に少年は知人に預けられる。少年が預けられた「大人」達の中には少年を厄介者として虐待する者もいた。
少年は他人を心の底から恨むことを覚えた。自分が死んだら化けて出てやる――そう思うほどに。やがて父は再婚したが、新しい母と息子を置き去りにして家に帰らなくなった。その上、家に金も入れなくなる。継母は実の息子のように少年を育ててくれたが、「アカの他人の子供を苦労して育てる義理は無い」と辛く当たる親族もいた。
少年は「鬼太郎」「妖怪人間ベム」「悪魔くん」「怪奇大作戦」「サスケ」「忍風カムイ外伝」など社会から疎外された主人公達の生き様と、人間の偽善的な側面を描いた作品世界に共感し、異形の世界に惹かれていく。そして暗い生い立ちを抱え世間とのかかわりを避け旅に生きる「木枯らし紋次郎」の孤独な姿に感動した。
「自分の家はそういう家で、そういう世界しかないから、空想に逃げるしかないところはありました。ネガティブヒーロー、暗部に惹かれるというのは子供の頃に暗部を見てるからです。子供って嘘に敏感でしょ、ひねくれた子供だったんでしょうね。神や仏がいて助けてくれるんじゃないか、スーパーヒーローや王子様が助けてくれるんじゃないかとか、そういう話よりダーティなものの方が信用できる。水戸黄門とか刑事物とかヒーロー物とか、今、大人になって見れば夢があっていいなと思うけれど、あの頃はこんなものは本当に夢だよって、現実はそんなもんじゃないよ、助けてくれる人なんていない、ヒーローなんてたやすく現れないよって思っていました」
「幻の怪談映画を追って」の中に、こんなエピソードがある。少年時代のある日、父に連れられて葬式に参列した。死んだのが自分を虐待した老人だと知り、不謹慎だが嬉しかった。肺の病気で息が出来なくなり死んだと聞かされ、その苦しみを想像し溜飲を下げた。
「あれはすっきりしました。ジジイは地獄に行くんだ、いい気味だ、死んでも苦しめばいいと思いました」
もし、このエピソードをドラマに仕立てテレビで流せば、「子供は善良」「憎悪の感情など持つべきではない」と唱える人々は不愉快に思うだろうか。葬儀に参列し「苦しめ」と地獄を思い浮かべる幼い少年――けれど、死が常に背後に聳える生活と不条理な虐待に絶望した少年の心を救うものが他にあるだろうか――愛情? 救い手? そんなものが都合よく、目の前に現れるだろうか――。
私は知っている、覚えがある――復讐心こそが人を救い生きさせることもある――。
「でも親父のことは憎んでないです。妙に好きですね、しょうがねぇなあって。そういう状況を作ったのは親父だけど、危害を加えたのは他者なんで」
そして少年は運命を変えるテレビドラマに出会う。タイトルは「必殺仕掛人」――池波正太郎原作のこのシリーズは、悪い奴がのさばり正義が踏みにじられる世界で、金で復讐を請け負う殺しのプロフェッショナル達の姿を江戸を舞台にして描かれていた。その後、必殺シリーズは仕置人、仕事人、仕舞人と設定とキャスティングを変えながらも長年に渡り放映される。中でも代名詞と言っていいのは藤田まこと演じる中村主水だろう。嫁と姑の尻に布かれ、奉行所内では「昼行燈」と馬鹿にされ女にも金にも弱い主人公という設定が世のサラリーマン達の共感を呼んで人気を呼んだ。しかし、その正体は一流の剣の腕を持つ復讐請負人である。そこに人々は「ヒーロー」を見た。
必殺の世界に心酔した少年は中学生になった。その頃、番組は視聴率低迷で打ち切りも近いと囁かれる次期だった。いてもたってもいられなくなった少年はファンクラブを設立しようともくろむ。しかしネットも無い時代、どうすればいいかわからなかった少年は、必殺シリーズを制作している大阪朝日放送に足を運ぶ。そしてファンクラブ「とらの会」が設立された。
「会員募集は雑誌でしてました。昔はそういうコミュニティの雑誌があったから。会報も作ったりして活動していました。朝日放送にファンクラブ作りたいんですけどもって訪ねていった時に向こうは、『えっ』って感じで驚かれましたね。役者のファンクラブってのはそれまであったけれど番組のは珍しいねって。でも可愛がっていただけましたね、それで撮影所の方にも出入りするようになりました」
山田少年が設立した必殺ファンクラブ「とらの会」を通じて知り合ったのが、当時、北海道の中学生だった京極夏彦である。実際に顔を合わせたのは物書きとしてデビューした後の話となるが、それ以来、創作者として強い結びつきを持ち今に至る。作家・京極夏彦に関しては説明するまでも無い。闇を愛し描くこの2人の作家が少年時代から縁を結んでいたことは決して偶然ではないだろう。また京極夏彦が通う高校には昨年亡くなった「鬼畜系ライター」の村崎百郎が同じ時期に在籍していたという。そこには何か「蠢く」物があるとしか思えない。人の縁というものは、意思を超えた宿命により動かされているのではないかと、世界を描く人達と出会うにつれ痛感する。
山田誠二は高校を卒業し就職する。25歳で最初の結婚をし子供も設けるが後に離婚。33歳で2度目の結婚をするが再び離婚する。現在は独身、一人暮らしである。サラリーマンをしながら17歳から始めた文章の仕事も併行していたが、30歳の頃、専業作家となり、それが一度目の離婚の原因だという。
――前に、学生時代は漫画ばかり描いていたとお聞きしたことがあるんですけれど、漫画家になりたかったんですか?
「いや、映像志望でした。でも映画を作るにはお金と手間がかかる。あの頃は今と違ってフィルムだったから。だから映画の代わりに漫画描いてましたね。幼稚園に行く前から本が読めて、とにかく本が好きだったんです。大きなポイントとなったのは、普通の子供って素直にアニメとか特撮とか観てると思うんですが、僕は、なんなんだろ、どうなってるんだろうってメカニズムに興味がいくんです。どうやって撮られてるんだろう、と。そうすると映画の専門書にも目が行く。子供って、ごっこ遊び好きでしょ。これをカメラで撮ったらこうなるんだよな、みたいなことを思うと自分でも撮りたくなる。残したくなるんです、映像として。必殺のファンクラブを作った時も、何でやねんって話になった時、僕は映画が好きで、非常に映画的に優れていると思うので、どうやって作られているか知りたいと正直に言いました。純粋に知りたかったんです。撮影所に出入りするようになって、自分が好きな映画を撮った人が目の前にいるので、どういうふうに心がけているんですかとか聞いたり、ガキだけど知識だけはあったので熱く語ってましたね、工藤栄一監督や深作欣二監督とか巨匠の方々に」
――高校を卒業してすぐに映像の世界に入ろうとは思わなかったんですか?
「学生時代に自主映画を作って一発勝負かけたんですが、失敗して意気消沈していた時期がありました。それもあるけれど、撮影所に入るという発想は無かったです。自分には務まらないと思っていました。まず、気がきかない、機転がきかない、役にたたない、ケツが重い。ずっと必殺の撮影所を見ていて現場を知っているからこそ、自分には助監督とかは務まらないと思っていました。あと助監督から監督になるまでに年月がかかる。それに撮影所で撮るということは自分の撮りたいものを撮れるというわけでもない。だから、ズルいかもしれないけれど、一応映画の周辺にいて、そこそこなんとか自分が他のところで名前をちょっとずつ上げていって、それによって上手くマッチングした時に映画を作れるんじゃないかという計算があったんです。実際に映像に関わったのは、大蔵映画の『色欲映画・江戸の淫霊』のプロデュースですね」
山田誠二という人を語る時に大蔵映画は避けては通れない。
「大蔵映画」とは、1961年に活動写真の弁士であった大蔵貢により設立された映画会社である。興行師として腕を奮っていた大蔵は新東宝に迎え入れられた。大蔵はそれまでの新東宝の文芸路線を低予算の怪奇・お色気路線に変更する。女優とのスキャンダル・ワンマン体制により人物そのものでも話題を呼んだ大蔵が新東宝退社後に設立したのが大蔵映画である。
幻と言われた大蔵映画を探り関係者にインタビューを試みた山田誠二は、取材の過程で全て廃棄されたとされていたフィルムが残されていたのを知る。フィルムは傑作と名高い「生首情痴事件」であった。山田は関係者を半年間説得し続け自費でソフト化に漕ぎ着け、「生首情痴事件」はVHSにて発売される。その際に自社・オフィスユリカを設立する。また大蔵貢の長男でもあり大蔵映画・現社長の満彦氏へのインタビューの際に、「お父様が制作されていたような怪談映画はもう、やられないんですか」との山田の問いに対し、満彦社長は「あなたが企画を出してくださいよ」と提案をする。そして別件で松竹映画「必殺始末人」の撮影現場に足を運んだところ演出部チーフの酒井信行監督が怪奇映画の愛好家ということを知り、山田誠二プロデュース・酒井信行演出にて平成大蔵怪談映画「色欲怪談・江戸の淫霊」が制作される運びとなった。
「大蔵映画に関しても必殺に関しても、物に対する執着が強いんですよ。本でも何でも古いものでも置いている。自分の好きな物が無くなってしまうことが耐えられない。使命感とか高尚な気持ちは無いです。自分が、無くなるのが嫌だ、自分が観たい。で、資料とか集めだしたんです。それが『幻の怪談映画を追って』(洋泉社)などにつながった」
「怪談は被害者も加害者も死んでしまうわけですが、被害者は幽霊になって加害者に復讐して成仏しますよね。加害者の方は無意識の罪悪感によって見てしまう自分の良心の化身である幽霊によって、良心の呵責を覚えて自滅することによって救われるんですよ。両方とも死んじゃうんだけど実は両者ともに救われる話だったりします。僕の造語で、京極さんが『いい言葉』と言ってたんだけど『成仏感』ってあるんじゃないかと思うんです」
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New Writer !! 『アケミン』 プロフィールはこちら |
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マリオン 豊田薫・後編
(2月27日更新)
| 更新日:2012-05-15 | |||||
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| 更新日:2012-04-19 | |||||
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| 更新日:2012-04-16 | |||||
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| 更新日:2012-04-10 | |||||
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| 更新日:2012-03-26 | |||||
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| 更新日:2010-11-29 | |||||
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