京都在住の官能作家。
京都女子大学文学部中退。
2010年、第一回団鬼六賞大賞を「花祀り」(無双舎より発売中)にて受賞。
京都観光文化検定2級を所持する現役バスガイドでもある。
AV・日本史・仏像が好きです。
公式ブログ
京都在住の官能作家。
京都女子大学文学部中退。
2010年、第一回団鬼六賞大賞を「花祀り」(無双舎より発売中)にて受賞。
京都観光文化検定2級を所持する現役バスガイドでもある。
AV・日本史・仏像が好きです。
公式ブログ
▶2012-04-24『関西エロ名鑑』
第14回「人と場所を遊びつなぐ~メディアピクニック岩淵拓郎~」
▶2012-03-22『官能作家・花房観音の『関西エロ名鑑』』
第13回 怖くて悲しくて美しいものたちへ~怪談作家・三輪チサ~
▶2012-02-21『官能作家・花房観音の「関西エロ名鑑」』
第12回 官能小説朗読会エロティカ・ナイト後編~俳優・ヤマゲン~
▶2012-01-26『官能作家・花房観音の「関西エロ名鑑」』
第11回「官能小説朗読会エロティカ・ナイト前編~女優・やまおきあや~」
▶2011-12-22『官能作家・花房観音の「関西エロ名鑑」』
第10回「青春という名の狂気~映画監督・柴田剛~」
▶2011-12-05『官能作家・花房観音の『関西エロ名鑑』』
第9回「~腐女子力で人と街を笑顔に~コスプレイベントプロデューサー・児玉教子」
▶2011-10-27『官能作家・花房観音の『関西エロ名鑑』』
第8回 心に花を、世界に美しい歌を~歌手・ラファエル木村~
▶2011-09-29『官能作家・花房観音の『関西エロ名鑑』』
第7回 セックスと健康と風俗というお仕事~風俗嬢ライター田中課長~
▶2011-09-01『官能作家・花房観音の『関西エロ名鑑』』
第6回 エロと笑いの花が咲く~セクシー芸人ツジカオルコ~
▶2011-08-04『官能作家・花房観音の『関西エロ名鑑』』
第5回 エロス&アートの浄土に坐する「お坊さん」~京都極楽堂書店店主・月澤信貴~
▶2011-06-30『官能作家・花房観音の『関西エロ名鑑』』
第4回 闇のエロティシズムを追う男――映画監督&作家・山田誠二
▶2011-06-02『官能作家・花房観音の『関西エロ名鑑』』
第3回 ラブホテル進化論著者・歌う大学講師 ~金益見~
▶2011-04-26『官能作家・花房観音の『関西エロ名鑑』』
第2回 日本初のバイブドキュメンタリー~映像作家・ササタニーチェ~
京の都を囲む東山三十六峰と呼ばれる山々の一つ、音羽山の中腹に佇む清水寺――奈良時代の末に観音菩薩像を祀るために征夷大将軍坂上田村麻呂の尽力により創建されたと伝えられている。
古典文学にも度々登場し、古くから人々の信仰をあつめてきた清水寺は、現在も年間400万人以上の人々が訪れると言われており、京都、いや、日本で最も人が集う寺である。東大路から急な坂をのぼると、左手に大きな駐車場が見えてくる。そこから、左右に土産物屋が立ち並ぶ参道が伸び、その先に朱塗りの三重塔が見える。三重塔の脇をすり抜けると「清水の舞台」として知られた崖の上にせり出すような形で作られた舞台を有する国宝の本堂がある。本尊の十一面観音は秘仏で三十三年に一度しか公開されない。
清水寺は西の方角を臨んでいる――西方浄土を。極楽浄土は西の彼方にあると言われており、人々は彼の地におわす阿弥陀如来に手を合わす――
千年以上の昔より、人々の信仰が培われてきたこの地に、奇妙な店がある。
その名は「京都極楽堂書店」。清水寺へ向かう参道に掲げられている看板を頼りに入り口の扉を開ければ、男と女のからみあう春画が描かれている天井と、エロス、京都、アート、仏教を軸とした本が並ぶ。写真家の蜷川実花の鮮やかな作品の文房具や、楳図かずおの漫画のグッズが陳列されている。その他、京都のクリエーター達による作品などが並び、混沌とした異空間を形成している。二階に上がると、古い木造の壁にはビビッドでキュートな蜷川実花の作品が展示されている。
聖と性と俗と色が混濁するこの店の店主の正体は、実はれっきとした僧侶である。
月澤信貴、29歳。京都極楽堂書店の店主としての顔の他、クラブDJ、また超宗派仏教徒のインターネット寺院「彼岸寺」にも参加するれっきとした「お坊さん」である彼は、京都西陣で生まれ育った。
「寺は、月澤の家系に入ってからは僕で五代目だけど、そもそもは応仁の乱直後から続くお寺です。一人っ子なので跡を継ぐことが決められていました」
――寺院を継ぎ僧侶になることに抵抗は無かったんですか?
「めっちゃありました。二十歳の時がターニングポイントだったんですけれど、それまでは逆に宗教くそくらえ的な感じで実家に中指を立てて飛び出していたんです。けれど、二十歳の時に父が亡くなって、家に戻って親父の意志を継ぎ坊さんにならなあかんと思いました。父は急に亡くなりましたね、病気がちではあったけれど。寺は今は叔父が住職を勤めていて、後に僕が継ぐ予定です」
小学校は仏教系の光華小学校を卒業し、受験して立命館中学へ。そのままいけば、「京都のぼん」のエリートコースを突き進むはずだが、少年はここで「中指を立てて」高校に進学しない道を選ぶ。
「パソコンが得意なんでプログラマーへの道があるかなと調べたら中卒でもいけるところがありました。スキンヘッドで眉毛も無い、ピアスの穴が開いてるような15歳だったんですけど、就職してまっとうな感じになりました。しばらくプログラマーとして働いてから仕事をやめて通信制の高校に行きだしたんです。それが18歳の時。その間に熱帯魚屋さんやったりもしてました」
――なんで熱帯魚?
「それまでITバブルの時代でプログラマーで花形プレイヤーみたいな感じだったけど、次にバイトするなら何をしようかなーと考えたんですね。人間的に昔から、どちらかというと気持ち悪い人間やから、そういう人間が花屋かペットショップにいたら、なかなか気持ち悪いやろなーと思って。そしたらたまたま熱帯魚屋の前を通りがかって、すいません、雇ってくださいと頼んだら雇ってもらえました」
ここで、ある映画を連想する人は少なくないだろう。昨年ヒットした「冷たい熱帯魚」(監督・園子温)である。実際にあった連続殺人事件をモチーフにした人間の底に流れる残虐さや身勝手さを容赦なく露わにした、救いの無い、けれど感情移入せずにはいられない物語である。動物好きな人は、生き物が好きな人はいい人。花が好きな人はいい人――人間はそんなに短絡的な生き物ではない、もっと深く暗く、奥知れぬものが蠢いている――
幼い頃から「仏」の側で育っていた月澤少年は、まるで上記の映画の存在を予言していたかのように、「気持ちが悪いだろう」と、人を驚かし脅かすように、そしてそんな自分を楽しむかのごとくの生き方を選択する。
私が彼と知り合ったのは2年ほど前だ。バスガイドの仕事で清水寺に立ち寄り、自由時間に駐車場の向かいにある「京都極楽堂書店」の看板に惹かれ中に入り、「観光地」に不似合なそのカオス空間に驚いた。当時、彼は京都造形大学の学生であり、僧侶としても修行中の身だった。
「通信の高校で単位をとって、大検を受けました。大検パスして、京都造形大学の芸術表現アートプロデュース学科へ入学しました、23歳の時ですね。小学校の頃の夢はプログラマーで、それは叶ったし、やり続けてもよかったんですが、社会に出た時に、高校に行ってることの大事さがわかったんです。こういうことが基礎教養になってくるのかと痛感したことが何点かあって、高校に行くべきだと、もっともっと社会に出るのは見聞を広めてからじゃないといけない、僕はダメだ、と思ってプログラマーをやめたんです」
――何故、造形大学、アートの道へ行ったんですか?
「実はアートに関しては全く大学に入るまで興味がありませんでした。入るまでというと語弊がありますが、その前に京都精華大学の友達と遊んでいる時があって、芸術っておもしろいと思ったんですね。もともとは仏教大学(*京都市北区にある仏教系の大学)に行く予定だったんですが、仏教大学に行って宗教学を学んで所定のカリキュラムを選んでお坊さんになるのがいいかと思うとそうじゃないと思って、それやったら実際に修行って形で二週間(寺に)行ってまた出てきてというやり方もある。その方が自分は身につくかな、と。で、お坊さんの修行以外で身につけるべき教養といえば、芸術かなと思ったんです。一点集中で学ぶお坊さんよりも、僕は多角的なワイドビジョンな方がいいなと昔から思っていたので、何が必要なのかと考えた時、経済でも文学でもない、自分にとって必要で、今後の宗教と合わせていくんなら芸術方面かなと、そちらに行きました」
「在学中に店を開きました。3年生の時ですね。きっかけは本屋をやりたいとか熱望していたわけではなく、大学の教授から、こういう物件が清水にあるんやけど、お前、なんやあれやったらおもしろいことやってみいひんかと話が来て。本来、僕は、バーをやろうかと思っていたんですけれど、この立地なら飲食はきついから、本屋をやろうかな、と。それからはとんとん拍子で話が進みました。このお店に置いてる商品は、僕を含めた全スタッフの趣味です。スタッフは個人的な友人もいるし造形大からの縁の人もいますね」
――2階が、蜷川実花さんの写真館ですが、もともとお好きなんですか?
「はい。蜷川さんは好きでしたし、紹介してくれた先生の手引きで御縁がありました。ここを開くのも快諾していただいて、ご本人も来られたことあります」
――このお店の店内のデザインとかすごいですよね。観光客や修学旅行生が、つい入ってきてびっくりすると思うんですけれど、それも狙ってですか?
「それもあるけれど、グラフィックデザイナーの永戸鉄也さんに、とにかくアバンギャルドな物を創ろうという話で全部コラージュで作品を創っていただきました。最初に『極楽堂』という名前があって、そこからどういうふうに色づけしていくかといった流れですね。『極楽堂』は、極楽浄土の極楽です。僕自身も仏教の道に入った人間で、仏教のことをプロダクトに変換してアプローチしていこうというところから、仏教修行の実践の場というのが実は極楽浄土の行為なんですけれど、それに順ずるような場所でありたいというのが一点と、単純に『極めて楽しい』ところであるというのも重要かな、と。おもしろく楽しいこともあるけれど、仏教のことも実践できるという意味でも。そういう試みの一つが『毒まんじゅう』です」
毒まんじゅうは、極楽堂の人気商品である。黒の皮にショッキングピンクのトッピングのその名の通りに毒々しい配色だが、中には白あんにくるみと乾燥いちじくが練り込んであり、爽やかな甘味である。
毒まんじゅうの「毒」は「正義の毒」だという。仏教の世界では「ねたむ」「怒る」「愚痴る」の3つの煩悩を「三毒(さんどく)」と呼び、これらを克服するために修行に励むという。この3つの毒を食べることにより、自分の中の毒と向き合う、つまりは「毒出し」の意味が籠められているという。
「毒まんじゅうは開店して一年弱ぐらいの時にできました。京菓子の老舗・金谷正廣さんとのコラボ作品です。インパクトあるけれど、きちんと京菓子の製法を守られて作られています。おまんじゅうのリメイクというのがもともとのテーマで、そこに仏教的な意味合いをどういう形として刷り込もうか考えて、ああいう商品が出来ました。おかげさまで、大好評です」
――日本で一番人が来るところですよね、清水寺。お客さんはどういう感じですか?
「HPを見ていらっしゃる方も最近多いですね。テレビでこの前、紹介されたので。修学旅行生もたくさん来ます。何故か女子はみんなきゃあきゃあ楽しそうに天井指さしたりして騒いでるんですが、男子は結構、ぴきって硬くなっちゃいますね、青いですわ」
「陳列商品は、京都で活躍されている方の創作です。知恩寺の手作り市(アーティストのフリーマーケットと呼ばれている登竜門的な市)で声をかけたりして。一応、うちの店、創り手の顔まで全部知っているというのも重要なんです」
――楳図かずおさんの商品は?
「前回の蜷川実花さんの展覧会のテーマが楳図かずおさんでした。蜷川さんが楳図邸を撮った写真集を出されてますから、タイアップで扱わせていただけないかとお願いしたんです。僕自身も楳図さん、好きですし、現代漫画のキーマンになる方だと思います。一つのカルチャーのトップにおられる方だと」
――3年間、こちらのお店をされてて、困ったことや怒られたことなどありませんでしたか?
「無いですね。近所の方も、こんな変な店が出来て、どうかなと思ったら、みなさん優しいです。うちの町内、フランクで、たまに近所のちっちゃい子供とかも遊びにきます」
――書店をされたということは、本がお好きなんですか。ラインナップとかもこだわりがひしひしと感じられるんですが。
「本は好きですね。僕はすごいデジタル人間ではあるけれど、文字を読むのは紙媒体がしっくりきます」
――あと、もう一つの顔として、京都のクラブでDJをされてますが、いつぐらいから?
「18歳からですね。途中で、離れてた期間はあるけれど、名乗ってからは10年です。17歳ぐらいからクラブやライブハウスに出入りしていました。もともとロカビリーが好きで、フィフティーズとか、80年代のネオロカビリーとか。そのあと、Jポップで、それもやめて、今はいろんな方向を模索しています」
――超宗派仏教徒のインターネット寺院「彼岸寺」に参加されたきっかけは?
「今年の春からなんですけれど、その前にちょっと、イベントで機材をお貸しする御縁があって、その際に、お坊さんやからどうですかと声をかけられて、編集部の方に参加させていただいてるんです」
『彼岸寺』とはインターネット上に建てられたみんなのお寺であり、凝り固まった仏教をときほぐし、今に生きる仏教を再編集するために創られた、新しいメディアだ(彼岸寺HPより)。
私のような、京都に住み、仏教系の大学で学び、仕事でもプライベートでも頻繁に寺に足を運び、「観音」というペンネームをつけた人間にとって、仏教は身近なものではあるが、理解しているのかと聞かれれば、していない。仏教の知識も無いし、教養も無い。けれど、「仏」の傍にいると何故だか心が安らぐのだ。香の匂いの中、佇む仏に手を合わせると、心がすぅっと楽になる。私は「仏」の漂う空気が好きなのだ。
昨年の冬には福井県の永平寺で四日間、雲水(曹洞宗の修行僧)のもとで修行をした。出家を真剣に考えていた時期もあった。
わからないなりに、私はいつも「仏」の傍におり、生活の一部となっている。
「彼岸寺は、もう一度仏教を見直したいというか。仏教って広まってはいるし、存在は皆知ってはいるけれど本質的な部分ていうのがこの何十年かでの意識の上から失われていると思うんです。それをどうやって今の人に合わせて、今の人に受け入れられる形でどうアプローチしていくかっていうのを考えよう、というのがコンセプトですね」
月澤店主は昨年の12月に正式な僧侶となった。
「感激しましたね。僕らは伝授されるものが二つあって、戒脈と宗脈、戒律を受け取ることと、宗の流れを受け取ること。初代さんから脈々と続く、それを受け取る二代儀式があって、そこを通過することで正式なお坊さんになれるんです。最後に通る道があって、それが、もう百年ぐらい変わってない。そこを祖父も父も通った道だと考えると、ぐっときました」
3月11日の未曾有の大災害に遭遇し、人々は価値観を変えざるを得なくなった。今まで絶対だと思っていたものがそうじゃなくなっている。信じてきた価値観が崩れ、未来への恐怖が押し寄せ、不景気に拍車がかかり、心が不安定になる。そんなときに、人の心の隙間に入り込む「宗教もどき」がいる。こころの不安は、「商売」になるのだ。
私がここ数年で、うんざりしている物の一つに「パワースポット」ブームがある。仕事で伊勢神宮などに行くと、お参りをする前から「パワースポットどこですか」と聞かれることが多くなった。どこかのお寺に来ても、参拝せずに「パワースポットどこですか」と問われることもある。知人でも「パワースポット」めぐりに時間と金を費やしている者や、「スピリチュアル」「パワー」と名のついた物品を高値で購入し悦んでいる者が少なくない。明らかに怪しげな「ヒーラー」と名乗る者もいる。
人間の心は弱い。何かに縋ることが必要な時もある。一人ではどうにもならないことが多いのだから。けれど、一つ疑問があるのだ。何故、既存の宗教に行かないのだろうか? 教会も寺も、無料で人を受け入れてくれる場所はあちこちにあるのに。
「僕も批判的な気持ちはありますね。パワースポットとか行ってどうすんのと聞きたい。と、いうか、パワースポットの解釈を現代メディアが間違えてると思うんですね。僕らはブームになる前から、そういう場所があるのは知ってました。自分自身もスピリチュアルなものは信じる方で、マイパワースポットみたいなのもあります。そこで何かを受け取るだけではなくて、そこに行っていると、何か自分の持っているものを反射してくれるパワーがあるってところはある。内面を映す拡大鏡のようなものだととらえていて、結局何かを受け取るんじゃなくて、自分を見るためのパワースポットだと思っています」
――私は、ああいう場所や物にばかり頼っている人を見ると、ずるいな、って思うんです。自分は何もしないのに、普段信仰もしてない神様に助けてもらって、いい思いをしたいって、随分都合の良いずるい考えじゃないか、って。自分で最大限やれることをやってからの神頼みだと思うんですよ。お金や時間をそういうところにかけるよりも、することがあるだろう、って。楽して、いい想いをしようなんて思うんじゃねーよ、って。
「それで何かが上手く好転することなんてありえないですから」
――どうして既存の宗教には行かないんでしょうね。身近にあるしお金もかからないのに。敷居が高いんですかね?
「敷居が高いのもあるかもしれないし、キリスト教も仏教も何百年、千年以上と存在していて、今の感覚だと、実際に「効く」ものでもない、伝統的な存在だと思われているのもあるかも。最近の新参のスピリチュアル、ヒーリングは未知の力だから可能性の振り幅がある。全然効かないインチキもあるかもしれないし、ほんまに効くのもあるかもしれない。お寺では願い事はきかないから、と。僕は知人にヒーラーとかいますけど、真摯にその道をやってる人のは効き目があるんです。ヨーガでチャクラがひらいたりとか、気功術もそうだし。気づくまではどれが効いてるかわからないけれど。そこの振り幅に期待している感覚はあるんじゃないかな」
――このお店の内装や書籍のセレクトに私が強く惹かれて、ここにいるとすごく落ち着くのは、漂う「エロス」の濃さなんですけれど……性的なことに興味や好奇心が人並以上に深い人間だとしか思えないので、その辺のことも聞いてみたいのですが、初体験は幾つの時ですか?
「13歳の冬です。相手は同い年。恋愛とかじゃないですね、付き合ってない。向こうも初めてでした。好奇心や興味先行ですね、しかも青姦」
――13歳! しかもお互い初めて同士で、よくうまくいきましたね!
「それが上手くいったんです。だけど、恋愛に関しては、僕が結構めんどくさがりなので、フリーの時も多いですよ。中学校出てからもずっといなくて、久々に彼女が出来たのが大学一回生の時ですしね。その間は――、一晩身を寄せ合おう的な活動を地道に(笑)。だから、ちゃんと付き合った人数は少ないです。3、4人かな。付き合うとわりと長続きします。今は彼女いますよ、一年ぐらいかな」
――このお店の書籍のセレクトとか見ていると、粘着質というか、しつこそうな感じがするんですけど。
「結構しつこいかも。相手の気持ちのいいところを探すフェチなんですね。指圧とか結構、上手い方だし、なんとなくどこが気持ちいいか、どこが痛いかわかる人間なんです。友達に鍼灸師がいて、やり方を教えてもらって、相手の身体の触れるか触れないかレベルでなんとなく気持ちのいいところがわかるんです。それにともなって筋肉の収縮、汗のかき方、息の継ぎ方であったり、これは気持ちがいいポイントだなってのがわかってきて、そこを狡猾な蛇のように攻めていく」
「粘着質だと思います。サドマゾで言うと……曖昧で微妙ですね。人間的に言うとMっ気は混じってて、いじられキャラなんですが、相手のいいポイントを探っていくというところはSです。逆説でいうと、そういうふうにいじりたがりというのは奉仕ですし。曖昧ですね、忍者屋敷の回転扉と同じで、SとMは表裏一体だから」
――セックスって、大切なことだと思いますか?
「つがいになりきで性行があると捉えられがちだけど、僕は逆で、性行があるからこそ、つがいになれると思います。実際に相性とかあるし、空気感とか匂いって重要な要素で、それがあってこそ一緒にやっていけるかどうかって最終判断が出来ると思うんです」
――セックスが合う、合わないってのは、重要ですね。悲劇が生まれる。浮気をして信頼関係が崩壊したり。セックスそのものもだけど、性欲の差とかあります。どちらかがセックスを好きじゃなくて、片方がすごく好きだとかも。欲求不満とか罪悪感から関係が壊れてしまうきっかけが出来てしまう。
「僕は男も女も純潔であることに何ら意味を持たないと思っています。何人かと経験が無いと最終的に自分にとっていいものって気づけない。それがどんどん悲劇になってくるケースって多い。若い時に結婚して破綻するケースとかね。それって社会レベルの話し合いではなくて精神的な部分での話し合いがなされていない。話し合いって何か、セックスです。セックスは言語を介さない最高のコミュニケーションです」
――寝ないと相手のことはわからないと、私も思います。お互いのコミュニケーションが深まる、言葉より身体で強く結びついた時って、すごく幸せで、これ以上のものは無いと思う。古今集の「逢ひみての 後の心に くらぶれば 昔はものを 思はざりけり」って唄、昔の人はその辺をちゃんとわかって、こうして短い歌に籠めて、すごいなって思います。寝た後の想いの深さに比べれば、寝る前なんて、何もわかってなかったって。
「仏教的な観点から見ると、不淫界ってのがあって、メインクラスの戒律として守らなければならないとされています。その道に行く人はすごいけれど、そうじゃない人は、人間が生まれた時から持っている性という、生殖という重要な機能と付き合っていくためには、知るべきだと思うんです。今って、やれセックスが不純だと言われてしまうことがあるけれど、その奥にあるものはなんだという性教育が無いから悲劇が起こる」
――漫画や小説では、そこが描かれているものもあるけれど、親や教師「大人」が子供に教えるという範囲では、無いでしょうね。
私は売春自体がいけないこととは思っていないし、性産業は必要だと思っているんですが、若い子が売春するのは反対なんです。AVを鑑賞したりして、そこのところは矛盾を抱えてはいるんですが……。
人生経験が少ないうちに、お金=セックスだと思って欲しくない。バカにしちゃうと思うんです、男とかセックスを。愛情とか人間同士の繋がりとかを経験してから、身体を売るのならいいけれど、セックス=商品ではあって欲しくない。
「そんなに行ったことが無いんですが、風俗嬢でも、レベルの高い人には愛情を感じます。誇りを持って仕事をしている人と出会うと、すごくいいなと感じます。あくまでインスタントでお金を、じゃなくて、それプラス対価で愛情を注ぐ人はいい。若い頃、お金に変換できるものを持つと、資本的な考え方を持つと、おもしろみがない。実際にいろんな経験をしてきた人の話はおもしろいですけどね」
――京都っていう街にはエロスがありますよね。このお店も、京都じゃなくて他の土地にあったら、客層も違うけれど意味も違ったと思うんです。
京都って、古都とか、古い物イメージがあるけれど、実はサブカルやアートが元気がいい。京都造形大学にしても、京都精華大学にしても教授のラインナップがすごくて羨ましいです。京都じゃないけれど、大阪芸術大学も。関西のアートやカルチャーシーンって、活気がありますね。
「京都って現在と過去がミックスしていて、柔軟ですよね。昔のものが今のものを受け入れるのが上手い。閉塞された町って思われがちなんですけれど、昔、京都にあったものって流行の最先端で、最先端を生み出せるってことは新しいものがどんどん巻き込まれていく環境が整っていて、それが今でも脈々と続いていますよね」
――このあたりもそうですよね。清水寺への参道、三年坂、二年坂。お年寄りから若い人まで楽しめる場所になっている。美味しいパフェから数珠から木刀から、いろんなものが売っている。
「京都って、ブランドを上手くいかして立ち回ってるところはありますね。その辺がさすが権力者の集った町だな、と思いますね」
――京都を離れる気はないですか?
「無いです。骨を埋める気です」
――京都の人って、多いですよね。離れない人。かくいう私も、よそから来た人間ではあるけれど、離れる気は無いです。
「よそから来て、はまる人多いですよね。首都は東京だけど、文化の中心はやはり京都だと思っています。流行の最先端という意味ではなくて、もっと確固たる『文化』。地元愛の強い人間は多いです。生まれながらにして宗教に入っているかのような、『京都教』ですね。花房さんも、創作のインスパイアって、やっぱ京都じゃないですか」
――そうです。京都にいて、京都を描いていきたい。
「京都にいて、あれが欲しいけれど買えないとか無いんですよ。逆に京都でしか買えないものが多い。知恩寺の手作り市をはじめ、京都のニューウェーブを担う人達がたくさん出てきている。京都って元気がいい。どんどん新しいもん作っていこうという気概がある」
――将来の夢とか、あります?
「僕自身、人生に必要なものは楽しさだと思っています。お坊さんになる時に自分の戒名をつけるんだけど、楽しいという字を頂戴しました。僕が接していく人、自分自身にも、これから生涯、楽しさっていうものを伝えていけたら、仏教を通じてでも文化的なものでも、楽しさを共有していきたい。楽しいってことを共有できると笑顔が生まれる。人間って笑っている時の顔が、他の人に対して一番作用する。他の人に、ポジティブな感情を与える。それをいろんな方面から、あのおっさんとおったらおもろいなというお坊さんになっていきたい。そして、おもろいけれど、ここぞの一発で役に立つようなお坊さんになりたい」
「もしもこの記事を読んで興味を持ったのなら、お店に来て、直接僕と喋って欲しい。実際に僕と喋って、こうして文章で読むよりも、おもしろいネタはいっぱい持っているんで、実際に会ってみてください」
仏教の知識なんて無くても、「何かおもしろそうだ」と感じさえしてもらえたら、一度、この珍妙なお店に足を運んで欲しい。そこには、この聖と性の混沌とした空間を笑いながら漂う「お坊さん」が、あなたを受け入れてくれるから。
京都という場所は、街自体が妖怪じみている。あちこちに魔除けの仕掛けがあるのに、そこいらを当たり前に「魔」が蠢いていて、それが日常なのだ。
京都に魅入られた人間がこの街を離れられないのは、己の内なる「魔」が恋しがるのだ、この魔境を。
清水寺の付近は、昔、鳥辺野と言って、死者を葬る地であった。人間の魂だけならぬ、「物」に魂が宿った百鬼夜行の話も残る。
今も昔も変わらぬ妖都の、都の東の守護神・青龍に例えられるこの地に、「極楽」と名乗る店ありき。
人の欲と業が漂い、浄土の香が匂う、京都の町の化身のような店に足を運んで欲しい。
仏の如く、人を受け入れようと笑顔であなたを待っている「お坊さん」がいるから――
今も昔も人々が清水寺に行きかう3年坂界隈。この階段を登ると極楽堂がある。
★☆★☆★☆ お知らせ ★☆★☆★☆
今回ご協力いただきましました
京都極楽堂書店店主・月澤信貴さんの最新情報
↓ ↓ ↓
『京都極楽堂』
(http://kyobase.com/gokuraku/)
インターネット寺院
『彼岸寺』
(http://www.higan.net/)
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
近日行われるイベントは上記リンクから!!
街角で見つけた素敵な女の子。疲れたあなたにたった一言の応援メッセージ。
「解禁 桜 菜々美」
桜菜々美
発売日:11日
「神咲詩織と成瀬心美のダブルドリーム」
神咲詩織 成瀬心美
発売日:11日
「あなた見ないで下さい・・・。 ~夫の目の前で凌辱された人妻~ 藤井シェリー」
藤井シェリー
発売日:11日
![]() |
New Writer !! 『アケミン』 プロフィールはこちら |
|---|
マリオン 豊田薫・後編
(2月27日更新)
| 更新日:2012-05-15 | |||||
|
|
|
||||
| 更新日:2012-05-15 | |||||
|
|
|
||||
| 更新日:2012-05-15 | |||||
|
|
|
||||
| 更新日:2012-05-15 | |||||
|
|
|
||||
| 更新日:2012-05-07 | |||||
|
|
|
||||
| 更新日:2012-05-07 | |||||
|
|
|
||||
| 更新日:2012-05-01 | |||||
|
|
|
||||
| 更新日:2012-04-26 | |||||
|
|
|
||||
| 更新日:2012-04-24 | |||||
|
|
|
||||
| 更新日:2012-04-19 | |||||
|
|
|
||||
| 更新日:2012-04-16 | |||||
|
|
|
||||
| 更新日:2012-04-10 | |||||
|
|
|
||||
| 更新日:2012-03-26 | |||||
|
|
|
||||
| 更新日:2010-11-29 | |||||
|
|
|
||||
| 更新日:2010-11-11 | |||||
|
|
|
||||